自由な設計と提案が施主好みの家を実現する。




　Sさん邸を訪れた人は、おしゃれなカフェを訪れたような印象を受けるはず。淡いブルーグリーンのクロスに、濃い色調の床や無垢の扉、化粧梁がアンティークな雰囲気をプラスし、懐かしさの中に個性が詰まった空間となっている。
　家の中で２人が最も気に入っているスペースは、２階のファミリールーム。「海が見える場所を」という施主の希望で、同社がこの土地を紹介し建築に至ったわけだが、その立地を最大限に生かし、海を一枚の絵のように取り込んだ部屋が完成した。朝はコーヒーを飲みながら、休みの日は、音楽を聴きながらなど、１階にあるLDKよりもここで過ごす時間のほうが多いという。
　もともとご夫婦が「アントール」で家を建てようと思ったきっかけが、屋上が欲しかったからということもあり、屋上もお気に入りの場所。こちらからは海岸線の向こうに能登半島、反対側からは昼は河北潟とその向こうに連なる山並み、夜は金沢市街地の夜景を望める贅沢な眺めが魅力だ。施主の希望をとことん追及した、３D設計による「失敗しない家づくり」がモットーの同社で、ご夫婦の望みを的確に据えたこだわりの一軒が誕生した。