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2016.07.04更新

建築設計

唯一無二の魅力

今日は、「素材」の持つ魅せる力についてご紹介したいと思います。

 

掲載写真は先日納めさせていただいたスケルトン階段です。

 

段板・手摺には熱帯アフリカ産の広葉樹であるブビンガを使用しております。

 

納入にあたっては、工場にて一から加工して溝の加工にいたるまで

 

お施主様の足のサイズをお聞きして細かいオーダーを行い製作をいたしました。

 

このブビンガ高級木材であり、テーブルや家具、建築以外ではギターや打楽器にも用いられます。

 

特徴としては表面が赤く、派手は杢目(柾目とも板目とも異なる複雑な模様な模様のこと)

 

を持つ希少な材料です。

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一般的な木材よりも堅く、工場でのカット・磨きには苦戦を強いました。

 

足の裏に木が何かを語りかけてくるような、踏み心地の良い階段になりました。

 

また、この大工が苦労して磨いた手摺は、掴む度にその表情の豊かさが滲み出し、

 

触れて得られる幸せを存分に感じとることが出来ます。

 

 

 

 

 

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そして敷台には奥行き1m,幅3m近いブビンガは、

 

玄関へ足を踏み入れた訪問者を壮大さを与えながら温かく迎えることでしょう。

 

 

 

この敷台はお施主様がご自身で何度も材を見ながら、どの部分を正面に向けるか、

 

何度もご検討いただいた上での設置とさせていただきました。

 

その甲斐もあり、空間に凛とした安定感をもたらしています。

 

これほどまでに人に視覚と触覚から強さと壮大さは、

 

やはりこの材の持つ力ではないでしょうか。

 

同じ材料であっても各々の板材が唯一無二の輝きを

 

個々に放っている様に私は感じます。

 

数ある材の中で、この材は運命的に施主に出会い、建物の中で

 

これからもまたお施主様と共に生きていくのです。

 

 

 

この様なロマンが建築の世界にはあるので、やめられません。

 

やっぱり、建物って他には得られない美しさが有ると感じながら

 

工事に向き合わせていただいたことを心よりお施主様に感謝したいと思います。

 

 

 

                           antol KANAZAWA takino yousuke